【技術ブログ】肉眼で見えない建物の揺れを測る「微動計測」——失敗しないセンサー選定と現場の落とし穴
こんにちは!ロジカルプロダクトの技術ブログ編集部です。
私たちが普段何気なく使っている橋梁や高層ビル、歴史的な建造物。これらは一見するとビシッと頑丈に止まっているように見えますが、実は風や近くを走る車、遠くの波の揺れなどを受けて、人間の目には見えないレベルで常に「微かに」震えています。
この微小な震えを正確にキャッチして分析する技術を「微動計測(常時微動計測)」と呼びます。
今回は、インフラの寿命を延ばすための構造物モニタリング(SHM)や、大学の研究・実験において今や欠かせない「微動計測」をテーマに、現場でよくあるトラブルや、失敗しないセンサー選定の裏側についてエンジニア目線で解説します!
そもそも、なぜ平時の「微かな揺れ」を測るのか?
「地震でもないのに、なんでそんな小さな揺れを測るの?」と思われるかもしれません。
実は、構造物にはそれぞれ「固有周期(揺れやすいリズム)」というものがあります。人間でいう「脈拍」のようなものです。 もし建物の内部でひび割れが進んだり、経年劣化で強度が落ちてきたりすると、このリズムが徐々に変化(遅く)なっていきます。
つまり、定期的に微動計測を行ってリズムの変化をチェックしていれば、「一見すると無傷に見えるけれど、実は内部の劣化が始まっている」という建物のSOSを、手遅れになる前にいち早く察知できるのです。耐震補強工事の前後に計測して、「狙い通りに建物が強くなったか」を数値で実証する際にもよく使われます。
現場の技術者が直面する「微動計測の2大落とし穴」
微動計測で対象にする揺れは、数gal(ガル)以下、あるいは数百μm/s²といった、文字通り「極微小」な世界。そのため、現場では一般的な振動計測とは違う特有の難しさにぶつかります。
落とし穴①:センサー自身の「ノイズ」にデータが埋もれる
測りたい揺れが小さすぎるため、センサー自体が持っている電気的なノイズ(自己ノイズ)が大きいと、「測ったデータが全部ノイズで、肝心の建物の揺れが全く見えない……」という事態に陥ります。衝撃を測るような一般的な加速度センサーでは、微動計測は太刀打ちできません。
落とし穴②:環境の「温度変化」でデータがズレる(熱平衡の罠)
屋外や橋梁での計測で特に厄介なのが「温度」です。太陽光や風でセンサーの温度が急激に変わると、データにアナログ的なズレ(ドリフト)が発生してしまいます。 高精度なデータを採るためには、センサーを設置してから内部が周囲の温度と完全に馴染む(熱平衡に達する)までの「事前のウォーミングアップ時間(目安として12分程度など)」をしっかりと考慮して測定スケジュールを組むのが、現場を成功させるプロの鉄則です。
微動計測を成功させる「ワイヤレスセンサー」3つの条件
現場での作業効率とデータ精度を両立させるために、以下のスペックを満たしたセンサーを選ぶことが推奨されます。
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「QMEMS」などの超低ノイズ・超高分解能センサー 大きな衝撃用ではなく、微小な変化を限界まで拾い上げられる、自己ノイズの極めて低い3軸加速度センサーが必要です。
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ケーブル不要でノイズをシャットアウトする「920MHz帯ワイヤレス」 長い有線ケーブルを引き回すと、そのケーブル自体がアンテナのようになって周囲の電気ノイズを拾ってしまい、せっかくの微小なデータが掻き消されてしまいます。ロジカルプロダクトでは、この問題をワイヤレス化で解決。さらに、コンクリートや鉄骨などの障害物を回り込みやすく、大型の構造物でも途切れにくい「920MHz帯」の無線技術を採用しているため、現場の配線ストレスから完全に解放されます。
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複数拠点の「精密な同時性(同期計測)」 建物全体の「ひねり」や「歪み方」を正しく解析するためには、バラバラに置いた複数のセンサーが「完全に同じタイミングで」データをサンプリングしていなければ意味がありません。
まとめ:微かなサインを見逃さないために
微動計測は、構造物が発する目に見えないサインを数値化する素晴らしい技術です。しかしその成功は、「現場の環境(温度やノイズ)への配慮」と「適切なセンサーの選定」、そして「障害物に強い無線通信」にかかっていると言っても過言ではありません。
ロジカルプロダクトでは、インフラ計測のプロや大学の研究者が求める「超精度/高精度3軸ワイヤレス加速度センサ」を、回折性に優れ、大型構造物の計測に最適な「920MHz帯ワイヤレスシリーズ」でご用意しています。
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